”海流って?(その2)”
 前話では表層の海流を話しましたので、今回は深層の海流の 話をします。

 表層の海流を風の作用から「風成循環」と言いましたが、深 層の海流は、全地球規模の海洋大循環の海流であり「熱塩循環」 と呼ばれ、各海域の海水密度の違いにより起きるものです。
それは高緯度(北極や南極地域)の表層水は、冷気により冷 やされるため密度が増加し沈降します。その沈降した表層の海 水が、深層の海水を押しのけ、全海洋の深層を巡っていくことです。

 現在の沈降する地域は、北大西洋のグリーンランド沖と南米 大陸の南方の南極沖で、グリーンランド沖で沈降し深層に達し た海水は、大西洋を南極付近まで南下し、南極沖で沈降した海 水と合流、その後南極大陸の周りを東行し、一部はインド洋北 部へ、他はニュージーランドを回り込み太平洋に流れ込んでい きます。

 この深層の流れにより、それまで深層にあった海水は、イン ド洋北部及び北太平洋北部で表層へ押し出され、北太平洋北部 の海水は北米西岸沖を南下し、赤道付近を西に流れ、フィリピ ンとオーストラリアの間を通り、インド洋北部から湧昇した海 水と合流し喜望峰(アフリカ大陸最南端)沖を通り、大西洋を 北上、グリーンランド沖へと循環しています。
(解りましたか?言葉で説明すると解りにくいですよね〜。)

  この「熱塩循環」は極めてゆっくり流れており、流速は秒速 1p程度で、全海洋を一巡するのに「1000年」も要するら しいです。
 なお、「熱塩循環」は余りにもゆっくりなため、直接観測が 困難なことから、コンピューターによる推測値らしく、まだま だ大きな謎に包まれていますが、この循環は海洋全体に膨大な 量の水や熱、化学物質を輸送していることから、長期的な気候 変動をコントロールする最も重要な要素の一つであると考えら れています。

 ん〜、海ってすごいですよネ〜。

サイパンでダイビング
Copyright (C) 2004, 2005, 2006 ACE TOMATO All Rights Reserved

☆検索エンジン等で直接来られた方へ☆
こちらから
TOPへお入りくださいませ。